2017年10月26日木曜日

「日米がん格差 「医療の質」と「コスト」の経済学」アキ よしかわ (著)を読んで 書評

1 内容


どこでも同じように医療を受けることができる日本。しかし、同時に病院ごとの「差」が大きいことも日本人には常識です。「あの病院はいい」「あの病院はダメ」という情報は、週刊誌等でも売れ線のネタ。しかし、これがアメリカになると、高額医療である反面、「ガイドライン」が徹底され、医療の質のバラつきはほとんどありません。
安くてかかりやすいけれど、かかった医者・病院によって命を縮めるリスクが大きい日本で「がん」になることはこんなにアブナイことだった──。
日本に生まれ、10代で渡米、ほとんどアメリカ人として暮らしてきた著者は、スタンフォード大学で医療経済学の研究を率い、世界レベルの学者を多数輩出した超有名人。日本の病院の「質」を高めるためのコンサルタントを進める中で、みずからの大腸がんが発覚。自分の体をサンプルに、日本とアメリカのがん医療の違いを徹底調査。実体験を通して明らかになる日本のいいところ、ダメなところ、そして決定的に不足している、がん患者、がんサバイバーを支援する仕組み(キャンサーナビゲーション)。
患者・医療者両面から、「どうあるべきか」を大胆に提言し、日本のがん医療に意識革命を起こす1冊!
国際医療経済学者、「ステージ3B」のがんになる。医療ビッグデータと実体験から浮かび上がったニッポン医療「衝撃の真実」!
amazonより

2 感想


高くても医療の質が保証されるアメリカ!
安くても医療の質がバラバラな日本!

質の「バラつき」が激しい日本の医療
医療経済学者である著者が「ベンチマーク分析」を行ったところ、日本の医療には大きなバラつきがあることがわかった。
このバラつきとは、同じ疾病に対する治療方法や術式の違い、在院日数やコストの違いだ。
アメリカではガイドラインの遵守が徹底されるため医療の質は保証される。
一方日本ではガイドラインの遵守が徹底されておらず、どの病院の・どの医師によって大きく変わるようだ。

そうなると今度はどこの病院にかかるのが良いかの判断基準が問題となってくる。
これについては各都道府県が公表する「病床機能報告」のデータや該当疾患の症例数の多い医療機関を勧めていて大変参考になった。

近くの大きな病院でも最近は大学出の若手が多く未熟で技術不足という話もよく聞く。
ホームドクターとしてちゃんとした医師を見つけることは大切だと感じた。

「DPC制度(包括支払い制度)」が日本でも導入れていたことをはじめて知った。

専門家ががん患者1人ひとりを個別にサポートする仕組みである「キャンサーナビゲーション」は日本でも必要になってくるだろう。
問題は高齢化で医療費が莫大に膨れ上がっている現状で、その上社会保障でサポートが賄えるかどうかだ。
その点アメリカは寄付文化やボランティアが宗教とも相まって根付いている。
ほんとうに支援が必要となるのは「治療後」というのは驚いた。
たしかに緊張感がぷつんと切れてしまうのかもしれない。

日本でも医療の質が高く均一化されサポート体制が充実することで、多くの人が望む自宅での終末期ケアが増えてくることを願う。


3 本の紹介


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