2017年10月16日月曜日

「産婆(さんばば)フジヤン ~明日を生きる力をくれる、93歳助産師一代記~」坂本 フジヱ (著)を読んで 書評

1 内容


シリーズ累計15万部『大丈夫やで』の著者、93歳・日本最高齢現役助産師坂本フジヱさんの明るく、楽しく生きるコツがわかる初の自伝が登場!!
「人生いろいろ大変やけど、生まれてくる大変さに比べたら、大したことないなぁ」(本文抜粋)
大正13年、和歌山県に生まれ、助産師になって72年。4,000人以上の命の誕生を見届けてきた著者の歩みと、そこから見えてくる「生まれてくること」と「生きること」。明日を生きる力がわいてくる一冊!!
タレントの関根麻里さん推薦!!
「不死身伝説が生まれるほどお転婆なお産婆さんの、待ったなしの人生!フジヤンのやさしい語りに、ふっと、心が楽になりました」
育児書ベストセラー『大丈夫やで』著者、初の自伝!助産師という仕事が教えてくれた、人生で大切なこと。
amazonより


2 感想


フジヱさんは母が示してくれた仏教の教え「無財の七施」を小さい頃から実践している。相手のために心を配ったり(「心施」)、優しい言葉で接する(「言辞施」)など。
夫が病気を患っても「私に介護する時間をくれて、命の深さ重さに気づかせるために、寝たきりになって生き永らえてくれたんかも」と解釈する。
「今でもずっと、母の生き方は、私のお手本です。無学であっても人の役に立ち、無財の七施を実践した母のように、嘘のない誠実な「ほんまもん」の人間でありたいと思っています。」
と語る。

心がとてつもなく広い方だと思った。

*本より抜粋
「結婚で大事なんは、愛よりも相手を敬う心。「敬愛」の気持ちがあれば、ごつごつぶつかりあっても別れないんとちゃうかな。」
「ご縁というのは、今の、目の前のことだけやない。今のご縁を大事にしていたら、子の代、孫の代まで受け継いで行かれるんやなあと先生たちに教えられました。」
「形は少しずつ変わって行くやろけど、お互い助け合えてる、支え合えてると思える関係が、次の代もその次の代もずっと続くとええなあと思います。」

ご縁を大事にし、依頼も全然断らないフジヱさんだからこそ歯科医院の受付から看護学校、国保組合、産婦人科医院、助産所と仕事が広がっていったんだと思う。
無財の七施からフジヱさんを助けようとする人も多かったことだろう。
おかげで子どもも伸び伸びと育っていったようだ。

今の時代、自分勝手で、自分を押し通す力ばかりが強くなった大人が多いと嘆く。
たしかに「ご縁」という発想に乏しく、自分の意見や理想と違えば断ってしまうことも少なくない。自分を必要とされる「場所」で藻掻いてみよう、ということかと考えてみる。
「無財の七施」という教えははじめて聞いた。でも老若男女を問わず「人から好かれる人」というのは、こうしたことが自然とデキる人なんだろうと思う。

自分もまずは一歩と、「無財の七施」をトイレに貼ってみた(^o^))。

93歳になって未だ現役助産師として活躍するフジヱさんは、「やることがまだあるから、生かされているんかな。」と今日も頑張っている。

3 本の紹介



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