2018年1月15日月曜日

「空あかり 山一證券“しんがり”百人の言葉」清武 英利 (著)を読んで 書評

1 内容


会社は消えても、社員の人生は続く。
1997年11月の山一證券自主廃業から今年で20年。多くの社員が再就職をしていくなか、最後まで会社に残って破綻の真相究明や清算業務にあたった後列の「しんがり」社員を中心に、同社の社員100人を取材。彼らはあれから20年、どんな言葉を支えに、どう生きてきたか。市井に生きる人々の何気ない言葉が胸を打つ。
清武氏の代表作『しんがり 山一證券 最後の12人』の感動再び。
100人の元山一社員が実名で登場!銀行、証券、飲食店経営、役者、脚本家、公務員、医師、キャスター…WOWOWでドラマ化された感動の名著『しんがり』のその後。
Amazonより

2 感想


「しんがり」とは戦に敗れて退くとき軍隊の最後尾に踏みとどまって戦う兵士のこと。
前作「しんがり」を読んだことはなかったが、山一の社員らの最後の叫びが聞こえてきそうだった。

100人の言葉を聞くのは大変な作業だったに違いない。
清武さんは元新聞記者らしく綿密な取材に基づく本書は詳細で背景や当時の状況が手に取るようにわかった。

証券分野でも他分野でも「モトヤマ」であることを胸張って頑張っている元社員たち。
やはり業界4位の実力や気概は社員たちに根付いていたのだろう。
多くの人が債務隠しの事実を最後まで知らなかったという。

ただこれは山一側からみた風景であって、一番大変だったのは株券がタダの紙切れとなった株主でありその救済の多くはなされていないことを忘れてはならない。

今は個性の時代で仕事上の付き合いしかせず、1つの会社に留まらず自らのキャリアップのため転職を繰り返す人も多い。
そんな今からすれば、山一やモトヤマの結束は想像し難いのかもしれない。
昭和の時代の会社のあり方が少し羨ましく感じた。


「プライベートバンカー」清武 英利 (著)を読んで 書評


3 本の紹介


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