1 「僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう (文春新書)」山中 伸弥 (著), 羽生 善治 (著)ほかの内容
どんな失敗をしてもいい。学生時代にやった失敗は絶対に無駄にならない。
――第一章・山中伸弥
ある種の小さな挑戦とか、冒険、あるいは身近で未知なるものに出会うという機会を求めていくことは、非常に大切なのではないかと思います。
――第二章・羽生善治
僕はこの仕事を始めたころ、なぜ撮るんだろうという、すごく根本的なことで悩んだことがありました。
――第三章・是枝裕和
自分にしかできないことは何だろうと、思っていたほうがいい。あなたというのは、この世にひとりしかいないんだから。
――第四章・山極壽一
あんな偉い人でも、なんだ自分と同じじゃないかということを感じ取ってほしい
――永田和宏
amazonより
2 感想「僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう (文春新書)」山中 伸弥 (著), 羽生 善治 (著)ほかを読んで
京都産業大学の「マイ・チャレンジ一歩踏み出せば、何かが始まる!」の対談を本にしたもの。
登壇者はips細胞の山中伸弥先生、将棋の羽生善治王位、映画監督の是枝裕和さん、京都大学総長でゴリラ研究者としても知られる山極壽一先生、京都産業大学教授で歌人でもあられる永田和宏先生という豪華メンバー。
山中先生の成功は何のツテもなくアメリカや大学に飛び込んだことだという。
コレという夢中になれるものがあれば、突き詰めて紹介とかを気にせず最善を尽くすべきということだろうか。
ほかにも「研究者になるための条件は、ある何かが起きたとき心底驚けるかどうか、面白いと思えるかどうか」なんだそう。
「失敗しても夢中になれることを」と学生を前に語っておられる。
京大総長の山極先生も
「挫折から次のステップが開ける」
「自分にしかできないことを常に探し」ていたと自分を振り返り若者に語っている。
将棋の羽生善治王位は誰でもミスはするものだからミスを重ねないように「その視点から見ること」「今初めてその局面に出会ったとしたら」という視点でどう対応すればいいか考えることが大切と語っていたのが印象に残った。
まったく違う分野の偉人たちだが、それぞれが若い頃に悩み失敗を重ねながらも、試行錯誤し前に進んでこられたことがわかる。
最近の若者は誰かに憧れる、という話を聞いたことがない、憧れの対象を持ってない。
それは理想とする人と今の自分は全く別世界の雲の上の人と思っているんじゃないだろうか、というところからはじまった企画。
本書を読めば、どんな偉人も最初や若い頃は普通の人と同じように悩みや失敗があったのだと気づく。
あとは本人がどれだけ試行錯誤を積み重ね、自ら学び自分の次のステップを開けられるか、だ。
成功はこうした日々の積み重ね。
本書は学生向けの本だが、それだけでは勿体無い。
社会をつくるすべての人に読んでほしいと思う。
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