1 内容
東京五輪プレマラソンで、自爆テロが発生。現場では新開発の人工血液が輸血に使われ、消防士の向井圭吾も多くの人命を救った。しかし同日、人工血液が開発された病院で圭吾の妹が急死する。医師らの説明に納得いかず死の真相を追い始めた矢先、輸血された患者たちも圭吾の前で次々と変死していく――。胸に迫る、慟哭必至の医療ミステリ。
amazonより
2 感想
「藤堂比奈子」シリーズで有名な内藤了さんの「ゴールデン・ブラッド GOLDEN BLOOD」を読んだ。
オリンピックを控えた大会での爆弾テロ事件、人工血液にまつわる医療ミステリー。
最近は科学技術や医療技術が進歩したおかげか、新薬もピンポイントで狙う必要があって、それが中々難しいらしい。
そのため新薬開発の多くは海外の製薬会社で、日本の製薬会社はそれを利用するにすぎないと聞く。
人工血液はどうなんだろうか?
日本には移民も稀でイスラム教に対する敵対心もないため爆弾テロは起きないだろう、との楽観論もあるが、果たして?
医療ミステリーには膨大な医療知識が必要だが、本書はその点しっかりとまとめられていた。
実際は医療過誤や医療ミスがあると患者の家族は病院側を訴え、病院側はミスを認める。
しかし本件のような新薬開発など、過誤が起こりうる・過誤の上に完璧な新薬が完成するとしたら患者家族は病院を責められるのだろうか?
病院側の責任は如何ほどだろうか?
考えさせられる問題だった。
ミステリーの裏にある切ないラブストーリーにも涙を誘われた。
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