1 内容
たとえ悲劇を招こうとも、真実を暴くのが刑事の役目だ。警察捜査小説の極点
平成29年7月、千葉県船橋市の休耕地で、ブルーシートが掛けられた幼女の遺体が発見された。捜査に乗り出した船橋署の香山は、7年前に起きた<田宮事件>と遺体の状況が酷似していることに気づく。<田宮事件>では不可解な経緯から証拠が見つかり、犯人とされた男は冤罪を主張したまま刑務所内で自殺していた。やがて、捜査を進める香山の前で、ふたつの事件をつなぐ新たな証拠が見つかって――。
乱歩賞受賞作家、渾身の警察ミステリー。
amazonより
2 感想
「追い詰められた経験のある者こそが、弱い立場に置かれた人々を守る役目を担わなければならない。それは、単に仕事や職業を選ぶというのではなく、人生において与えられた生き方ではないか。」
被告人死亡で解決したはずの事件が、酷似した事件の発生によって蒸し返される。
果たして、これは模倣犯なのか?それとも犯人は未だ生きていて冤罪だったのか?
犯人の性的嗜好は過去に大人の女性に軽んじられた・以前に性的興奮を覚えたとか、その人自身の生い立ちや趣味嗜好から来ているはずで、その点が弱いように感じた。
そもそも7年前の事件の犯人性はこじつけのようでとても弱くて立証できないように思ってしまった。
警察官の志望動機が小学生の頃の虐め体験というのは、陳腐な気が。
警官襲撃は本来ありえないものだが、関係者の処分がないままストーリーは終わってしまっている。
そうはいっても過去の捜査と現在の捜査が行ったり来たりでスピード感があった。
冤罪なのかと疑心暗鬼になりながら警察官が犯人を追い詰めていくストーリーは他になく、よく練られているなと感じた。
最後まで、冤罪なのかどうか分からずスリリングで楽しめた。
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