2017年11月21日火曜日

「ホワイトラビット」伊坂 幸太郎 (著)を読んで 書評

1 内容


楽しさを追求したら、こういう小説になりました。最新書き下ろし長編は、予測不能の籠城ミステリーです! 仙台の住宅街で発生した人質立てこもり事件。SITが出動するも、逃亡不可能な状況下、予想外の要求が炸裂する。息子への、妻への、娘への、オリオン座への(?)愛が交錯し、事態は思わぬ方向に転がっていく――。「白兎事件」の全貌を知ることができるのはあなただけ! 伊坂作品初心者から上級者まで没頭度MAX! あの泥棒も登場します。
仙台で人質立てこもり事件が発生。SITが交渉を始めるが―。伊坂作品初心者から上級者まで、没頭度MAX!書き下ろしミステリー。
amazonより


2 感想

人質立てこもり事件の決定版を、と本書を描き下ろした筆者。
硬派な犯罪小説とは異なる、コミカルでどこかホットする伊坂ワールド全開の作品に仕上がっている。

本書は時間軸をずらしたトリックと、独特の語り口調が随所に挟まれているのが特徴だ。
緻密なトリックにはクライマックスまで気が抜けない。
ところどころにオリオン座の話や「レ・ミゼラブル」の話が織り交ぜられていて、それが立てこもりの緊張感を緩和させてくれてもいる。

伊坂さんの作品の登場人物は、どこか憎めない可愛らしい人が多い。
本書でも犯人たちは誰かを心配し助けようと策を練る。
黒澤さんも協力し危険を顧みず行動する。
弱い人たちも最後は腹をくくって覚悟を決める。

黒澤やラビットの活躍をまた観てみたいと思った。

3 本の紹介

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