2017年9月23日土曜日

「世界一訪れたい日本のつくりかた」デービッド アトキンソン (著) 書評

1 内容


【観光業を大進化させたベストセラー『新・観光立国論』著者の“最新”提言!】
過去数年で、日本は「観光の後進国」から「発展途上国」になりました。
さまざまな実績が出始めており、街で外国人観光客を見かける機会も増えました。
しかし、日本の潜在能力を考えると、まだまだこんなものではありません。
日本は、やるべきことをやりさえすれば、「世界第5位の観光大国」になれる潜在能力があります。
本書では、日本が「6000万人の外国人観光客」を招致できる
真の「観光先進国」になるためにとるべき方策を、あますところなく解説します。
■どう分析するか?
→フランス人よりもドイツ人を呼ぶべき理由
→観光収入の9割は「これ」で決まる
→日本の「地の利」が最強な理由
■何を整備するか?
→「サービス」の概念を根本から改めよう
→日本人だけが気づいていない「観光資源」とは
→カジノは最強の「集金システム」である
■いかに発信するか?
→「翻訳」はもう止めよう
→外国人には「意味不明」な写真とは
→「&Tokyo」がダメなわけ 他
「6000万人」の外国人を呼び、「15兆円」使ってもらう具体的な方法が、この一冊ですべてわかる。渾身のデータ分析と現場での実践が明らかにした「日本が進むべき道」。
amazonより

外国人が心底失望する「日本のホテル事情」 日本には「高級ホテル」が足りなすぎる 東洋経済オンライン

2 感想


ゴールドマン・サックスのアナリストを経て、小西美術工藝社社長となったデービッド・アトキンソンさん。

「新・観光立国論」の進化版・答えともいえる今回の「世界一訪れたい日本のつくりかた」。

著者は元アナリスト・日本の伝統建物の修復などを手がける社長として様々なデータを用いて極めて論理的に(エビデンスベースで)提言をしている。

素人考えではタイやメキシコを訪れる外国人は「非日常」を求めているので、都市化された日本ではそれとは比較できないように思った。
またカジノIRには感情論はさておき「儲からない」という反対意見もあり、もう少しエビデンスが欲しかったところ。

上記以外は、
どれも納得のできる、新鮮な提言ばかりだった。

宿泊業を既に営んでいる人だけでなく、これから観光業やその周辺をはじめようとする人にも有益な情報ばかり。
日本に居て普段当たり前のように感じている事柄も常に根拠付けられていて新鮮だった。
データ分析や翻訳の話は日本にとってウイークポイントで耳の痛いところだと思う。
「日本は変化が始まれば猛スピードで変わる国」との言葉に勇気が持てた。

おもてなしや日本らしさという言葉が先行する昨今、真に「客の立場に立ち、どのような情報やサービスが有益か、考えることが大切」という言葉が心に刺さった。

3 本の紹介


目次
第1章 日本の「実力」は、こんなものじゃない―「大観光時代」を迎える世界と日本の現状
第2章 「どの国から来てもらうか」がいちばん大切―国別の戦略を立てよう
第3章 お金を使ってもらう「魅力」のつくりかた―「昭和の常識」を捨てて、質を追究しよう
第4章 自然こそ、日本がもつ「最強の伸び代」―「長く滞在してもらう」ことを考えよう
第5章 「誰に・何を・どう伝えるか」をもっと考えよう―「So what?テスト」でうまくいく
第6章 儲けの9割は「ホテル」で決まる―「高級ホテル」をもっと増やそう
第7章 観光は日本を支える「基幹産業」―あらゆる仕事を「観光業化」しよう

0 件のコメント:

コメントを投稿

スポンサーサイト

Comments

スポンサーサイト