2017年9月17日日曜日

「敏感すぎてすぐ「恋」に動揺してしまうあなたへ。」エレイン・N. アーロン (著)を読んで 書評

1 内容


 心理学本には、人間を客観的に分析した、基本的に「ひとごと」なものが多い。だが、この本は違う。自らも「敏感すぎる人」(HSP=Highly Sensitive Person)である著者は、本作でも、温かなまなざしで「敏感人」への恋愛アドバイスを行っている。ベストセラー『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』の続編。「敏感人」だけでなく、失恋や恋の痛手から、このところ恋愛から遠ざかっている人にもおすすめだ。 
   本書の原題は「とても敏感な人が恋するとき」。人より鋭く細やかな(敏感な)神経を持ったHSPと呼ばれる人の「恋愛してみたいけれど勇気がない」気持ちを、さまざまに励まし、後押ししている。「敏感さ」は「繊細さ」でもある。また「鈍感さ」は「大らかさ」でもあると著者は説く。恋愛においては、互いの欠点を長所にしあえる関係、「気質」の合う人との出会いが重要なのだ。そのためには自分を知り、他人を知ることが肝要となる。本書は人口の15~20%を占めるHSPのための恋愛教科書なのだが、普通の人にも参考になる。
   本書では、HSPに加えて、「刺激追求型」(HSS=high sensation seeking)という概念も紹介される。ただ「この本を鵜呑みにせずに自分にとって役に立つところだけを吸収するようにしてください」との著者の言に従い、学術用語に幻惑されずに本書を「参考書」として活用すべきだろう。恋愛はあくまで個人的な、理論化・一般化できないものなのだから。(濱 籟太)
だいじょうぶ。
あなたには愛される「理由(わけ)」がある。
激しく恋に落ちる一方で親密になることや傷つくことをひどく恐れる。
自分は繊細すぎるから、うまく人とつきあえないのではと悩む。
「敏感すぎる人(=HSP)」にとって恋愛はやっかいなもの。
敏感さという特性を生かしつつ「あの人」との絆を強めるには?
あなた自身を知り、上手に人を愛するための各種テスト&ワーク付き
――HSPのあなただけが経験できる、深い愛の世界がある。
〈本書の主な内容〉
1.「敏感すぎる人(=HSP)」の恋
2.ジェンダーと敏感さ
3.HSPと親密さへの恐怖
4.恋に落ちるということ
5.気質の違うふたりの恋
6.ふたりともHSPだったなら
7.「敏感なパートナーシップ」をつくる
8.HSPの性生活
9.恋愛はスピリチュアルな道のり
amazonより

2 感想


「HSP」とは「Highly sensitive person(とても敏感な人)」のことをいう。
本にある自己診断テストを受けると、ほとんどが自分に当てはまりHSPであることを知った。
たしかに「あがり症」や空腹時の集中力の欠如、洞察力の高さなどが思い当たる。
5人に1人ぐらいは居るといわれるHSPだが、これは欠点じゃないと著者は言う。
自分は幼少期に特にトラウマなどがないため、幼少期のところは飛ばして読んだ。

HSPの人の強みは、イマジネーション・共感・創造性・洞察力。
実は直感的な人が多いのも特徴のようだ。
直感力から次々と創造的なアイデアを思いつく人もいる。
内気・引きこもりにならないで、とにかく家を出て世の中と関わることが大事と話す。

HSPにとって大切なのは、睡眠や、1日を振り返る「ダウンタイム」、瞑想などで「超越」の時間を持つこと。

大人になって問題となるのは、仕事だ。
強みが活かせる仕事が理想だろう。
他人の苦しみを察知できることから看護や介護は向いているといえる。
自分で時間や付き合う人をコントロールできる自営業も適している。
ただし、HSPには心配症の完璧主義者が多いことから注意すべき、とのこと。

「神経質」「引っ込み思案」といわれる多くの人がHSPに分類される。
これらの人にとって、本書は自分の弱さを見つめさせ自信を持ち直させてくれる力強い本といえそうだ。

HSPかどうかセルフチェックできるサイト/Are You Highly Sensitive?

3 本の紹介



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