2017年11月8日水曜日

「生きていくあなたへ 105歳 どうしても遺したかった言葉」日野原 重明 (著)を読んで 書評

1 内容


「人間は弱い。死ぬのは僕もこわいです。」105歳の医師、日野原重明氏が、死の直前まで語った、希望と感謝の対話20時間越。最後の力を振り絞り伝えたかった言葉とは。生涯現役、渾身最期の一冊。
「死ぬのは僕でも怖いんだよ。」だからこそ、朝起きて自分が生きていることが、心から嬉しい。105歳になっても尚、僕にはまだ自分でも知らない未知の自分がたくさんあると感じているのです。
今、最後の力を振り絞って私がしたいのは、あなたとの対話です。人生の中で、いつも私と共にあったのは言葉でした。
私が言葉によって支えられてきたように、迷い傷ついたあなたへ、私の最期の言葉を伝えたいのです。(本書より抜粋)
2017年7月18日この世を去られた日野原重明さん。2016年年末からはじまった本書のインタビューは、亡くなる直前まで、時にはベッドに横たわりながら20時間以上行われました。言葉を軸にしながら、死と生、病と健康、出会いと別れ等々、人生の深淵について語ります。
【本書の内容】
第1章 死は命の終わりではない
第2章 愛すること
第3章 ゆるすことは難しい
第4章 大切なことはすぐにはわからない
第5章 未知なる自分との出会い
死を目前に紡がれた、生涯現役、渾身最期のメッセージ。
amazonより

2 感想


聖書「一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが死ねば多くの実を結ぶ。」
「人生の午後をどう生きるか。自分自身の価値観を持たなくてはならない。」
「君たちが大きくなったら、その時間はほかの人のため、社会のために使わないといけない。」
聖書「力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ。」
「本当の友達とは、僕のために祈ってくれる人。祈る行為とは、相手を自分のことのように思うということ。」
「もっともっと若い人達を勇気づけられるような人生の先輩でありたいと思うのです。」
「苦しみも私の成長のために与えられたのだ。」
京セラ稲盛会長「動機純たるや、私心なかりしか」
「若々しいとすれば、原因は常に新しい自分との出会いを大切に過ごしているから。」
感謝に満ちた気持ちで「キープオンゴーイング」

日野原先生が質問に答える形で綴られた対話集。
クリスチャンでもある日野原先生の答えは、すべてにおいて大らかであたたかいものだった。答えは聖書の引用なども多い。
病床から人々に語りかけるかのように、力を振り絞って話された内容のすべてが詰まっている。
よど号ハイジャック事件に遭遇し生還され、105歳でも講演会や病院の指揮をされる先生の貴重な言葉があふれる。
ホスピスや人間ドッグの推進も先生の功績が大きいだろう。

先生は嫌いな人や嫌な人とも付き合い、誰をも恕(ゆる)す精神が大切だと語る。
そして苦しみからこそ自身の成長が得られるという。
お身体は年齢とともに弱っていくものだが、キリスト教の教えとそういった精神を持っておられる先生は、とても強いのだと感じた。

2017年7月105歳でお亡くなりになられた日野原先生のご冥福をお祈りする。

3 本の紹介

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